こんにちは、デザイン墓担当の角田育子です。
20年ほど前、岡山でデザイン墓をされる方は“特別な”要望が強かったように思います。例えば「海のようなお墓がいいわ」忘れられないご要望の一つ。
仏教的な要素が強い“和墓”でなく、また背の低い“洋墓”という選び方でもない“個性が光るお墓を創る”と言った感じです。
そんな要望を満たすために様々な試みをしました。そこで鍛えられた発想力が、今のお客様に活かされています。
ここで一つ紹介します。
当時、岡山ではお墓に写真が貼ってあるのを見たことがありませんでした。他県の墓地を訪れた時、中国人の方の墓に、小さな顔写真が貼ってあるのを見てとても驚きました。文化や感覚の違いだなと、勉強になりました。
ある日、墓石展示場に、初老のお父様と娘さん家族が来店されました。デザイン墓を希望されていて、特に「亡き奥様の木彫りを後世に残したい」というご要望がありました。“木彫り”そのものはやがて朽ちてしまうから、別の方法を考えなければなりません。お参りに訪れるお友達や生徒さんに、奥様を思い出してもらいたいというご主人の愛情。“作品をお墓に”という願いをどうしても叶えてあげたいと思いました。そこで思い出したのが“写真を貼る”ということ。それも、退色劣化が少ない耐久性の優れたセラミック板を使うことでした。
お客様も大変気に入って下さり、石豊初のセラミック板を取り入れたデザイン墓が完成しました。遠くイタリアに製造依頼して出来上がったのがこちらです。
こちらは、建墓して13年経った最近の写真です。今でも退色や劣化もなく美しいままです。奥様の木彫りの素晴らしさがよく分かります。
このような形で後世に残せるなんて、お客様の要望がなければ発想は広がりませんでした。
現在、セラミック板に残る思い出の一枚が各霊園で見られます。中国の方のお墓とは違い、思い出そのものが写し残される一枚一枚は、どれも物語があって素敵ですよ。いつでもご案内しま~す。